寒空の下で開かれた譲渡会
Famyの想いに共感してくださるたくさんの団体さんや行政もいらっしゃり、尚一層わたしたちも活発に活動して行かなければと励まされている毎日です。
今回は以前訪問させて頂いた【 埼玉動物指導センター 】(以下、指導センター)へ
再び訪問させて頂きました。
こちらのセンターで譲渡会が開催されるとのことを聞き、
わたしたちメンバーは足を運ばせていただきました。
(前回のコラムはコチラ▶埼玉県動物指導センター訪問)

とても印象的だったエントランスでの雰囲気
この日は3月にしては珍しい極寒の日⋯(本当に寒かった…)
そんな中、スタッフさんたちは外で元気いっぱいに
譲渡希望のお客さんをお迎えしてくれています。
一人、一人丁寧に
「どのような団体が来てるのか」
「どういう目的で来られたのか」
「困ったことがあればいつでも声を掛けて下さい」と、
お声掛けされていたことがとても印象的です。
本当に寒い中の譲渡会でしたがスタッフさんのやさしさに触れ、心が一気に温まりました。
素敵なお声がけから胸が高鳴る気持ちで、
今日出会えるワンちゃん、ネコちゃん達に思いを馳せいざ譲渡会場へ。後日指導センターの方へお聞きしたところ、なんとこの寒空の中228名が来場されたとのこと!
そして嬉しいことに3頭のワンちゃん、8頭の猫ちゃんに譲渡のお声がかかったとのことでとても嬉しく思います。
始まった小さな一歩
登録団体参加の譲渡会を主催している指導センターの方へ
改めて開催している背景などを伺いました。
5年前よりこの譲渡会は、指導センターの登録団体の力になればという想いから始まったそうです。
(※登録団体とは:埼玉動物指導センターに収容された犬猫の譲渡を受け新しい飼い主を探す活動をされている保護団体を指す。登録には動物指導センターの審査が必要で、適切な保護・飼育・譲渡体制が整っていることが条件。)
本所・南支所で年二回譲渡会を開催し、年々意識の高い方々が遠方から来場してくださりInstagramによる周知活動も
来場者の増加につながっている感覚があるとのこと。
(大変喜ばしいことですね!)
昨今テレビでも保護犬・保護猫というワードを耳にするようになり、少しずつ認知が拡大している一方できちんと終生飼育ができることや犬猫を家族として大切に育てていく想いのある方に譲渡されて欲しいと強く望まれていました。
感じたリアルな保護団体の現場
次に参加されている団体さんのもとへ。




「わんにゃん小梅保育園」さんで家族募集中のワンちゃん達
【 今回参加されていた団体さん 】
お話を伺って各団体さん共通して見えた課題は
- 飼い主、地域住民のリテラシー問題
- 資金不足、人手不足、物資不足
- 飼い主の高齢化による飼育困難
- 多頭飼育崩壊
- 減らない猫の処分数
どのワードもどこかで
一度は見たり聞いたりしたことがあるはず。
(あると嬉しい。。。)
特に多頭飼育崩壊は昨今ニュースでも
よく取り上げられているのを見ますが、
特に気になったのが
郊外での孤立した環境下による飼育崩壊。土地柄、家と家との距離が遠く近隣からの苦情が入りにくいことから表面化しにくいといった点もある。
まだまだ私たちの知らない
多くの問題や課題があることに直面する。。。
やさしさの先に
崩壊が待っていた⋯
そもそも多頭飼育問題とは・・・
環境省の定義によると
- 飼い主の生活状況の悪化
- 動物の状態の悪化
- 周辺の生活環境の悪化
3つのいずれかの影響
もしくは複数が生じている状況と定義されている。
特に猫の多頭飼育崩壊は深刻化していて、
繁殖スピードが早い猫は
数年で気がつけば一気に増えていた・・・
なんてこともよく聞く・・・悲しいことだが・・・。
個人の動物保護活動家が活動を始め
去勢が遅れて気がつけば一人で手に負えないことに・・・
なんてこともよくあるとか。。。
そもそも「気づけば」の段階では
遅いのです
最初は“やさしさ”から始まったことが、
後々動物たちを苦しめることになっている
たった一つの現場から、猫が
- 群馬:28頭
- 鹿児島県:30頭
- 沖縄県:22頭
- 神奈川県:11頭
- 埼玉県:72頭
- 埼玉県:96頭
救済されている現状。
(引用参照:公益財団法人 どうぶつ基金による2025年 多頭飼育支援状況)
(※1:多頭飼育支援:どうぶつ基金が実施する多頭飼育崩壊への救済措置。各自治体と連携して多頭飼育崩壊現場の動物を救済する。その状況を多頭飼育救済支援レポートとして飼い主の状況(家族構成、経済状況等)や多頭飼育崩壊に至るまでの経緯、多頭飼育崩壊がどのように発覚したか、支援を申請するに至った理由、支援時の状況、不妊手術後の犬猫の様子や飼育環境の変化などを記録したものを掲載している)
この埼玉県の1現場から72頭の猫が救済されたレポート
を見てみると・・・
高齢の父親、無職の息子と障害者雇用の娘の家族構成
などなど。。。
どう考えても
72頭の猫の面倒を見れる環境ではないと
察しが付く
環境省の定義でいうと「飼い主の生活状況の悪化 」
実はこの多頭飼育崩壊現場から実際に保護してくれた
団体さんは今回の譲渡会にも参加している
「またたび家」さん。
譲渡会中お忙しい中少しお話を伺うことができました。


(またたび家さん所属 家族募集中の猫たち)
Famy メンバー:
「普段の保護活動ではどのような課題や困難を感じていますか?どんなことで一番課題感を感じますか?」またたび家代表:
「埼玉県は土地柄、多頭飼育崩壊現場が多いように感じます。また高齢者の飼い主による問題も多く感じています。多くの猫を保護しているので金銭的な面もあり、とにかく消耗品の消費が著しいです。そして多くの子のお世話で本当にやりたいことである啓蒙活動にも全然時間が使えなくて・・・でも目の前の命と向き合いたいということも大切であって中々手が回ってないです・・・」Famyメンバー:
「皆さんが毎日猫たちと向き合われるお話しをお聞きすると私達も何か応援できないかと思います。とくにペットシーツや猫砂等、わたしもボランティアを行っていて消耗スピードの速さは痛いほどよく分かります。Famyとして協力出来ることがありそうです!またたび家さんでは課題解決のために診療所を作ったと伺いましたが聞かせていただけますか?」またたび家代表:
「とにかく数を増やさないためにも去勢手術を徹底したい、その思いで診療所をつくりました。主に飼い主の居ない子を積極的にケアし(※)TNR活動を行っていますが、中にはリリースできないほどの大怪我をしている子もいるので、自分たちで引取し治療をしてから譲渡活動もしています。」Famyメンバー:
「近年ねこの交通事故も多く見受けられますよね。診療所まで作られての活動にはとても頭がさがります。お話伺えて本当に良かったです!」
実際にはもう少し長くお話を伺ったのだが、この部分を抜粋させて頂きました。
(※)TNR活動とはTrap(捕獲すること)、Neuter(不妊手術)、Return(リターン)の頭文字を取った言葉。
野良猫を捕獲し不妊手術を施しこれ以上子猫が産まれないようにした上で、元の場所に戻す活動のこと。
命をむやみに奪うことなく、野良猫の数をこれ以上増やさないための取り組み。
多頭飼育崩壊現場で
目の当たりにする保護が必要な頭数
本当に手が回らないと
仰っていたことが心に突き刺さった
どうにかみんなで、
一緒にこの現状を変えていけないか、、、
やさしさを
仕組みにするFamy chain
Famyでは
「一つひとつのつながりが大きな輪になるように」
動物保護・愛護活動団体への商品提供や資金援助等を始めています。
https://www.famy.jp/famy-chain/
想いを持って積極的に未来を継続的に変えていこうと活動されている団体さんと連携した仕組み作りが始まったばかり
一例として、
先日Famy chainの仲間である「PIPS」さんに、
Famyの新商品の撮影をして頂いた。
※ 後日コラムにアップするので乞うご期待!
Famyが現状、いま出来ることは、
- 物資支援(ペットシーツや猫砂)
- 広報活動としてSNSやブランドサイトでの露出(例えば今回のような記事での紹介など)
まだまだ出来ることは少ないですが、
少しでも救える命を一番に私達も継続的に活動をしていきたいと思います。
皆が一緒なら、きっと変えられる。
筆:つむぎと麹の姉