Famy

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Famyの活動

ACTIVITIES

2025.03.24

沈黙の訴え
保護猫の瞳が映し出す
社会の課題

場所は東京都にある
江東猫の会 譲渡型保護猫サロンもんにゃか

わたしは保護猫サロンで月に2〜3回ほど保護猫のお世話ボランティアをしている

ここに来た子達は最初、不安・戸惑い…の視線で私たちを見つめている

なぜこの子たちはこのサロンに来たのだろうか⋯?
どんな生い立ちがあったんだろう⋯

彼らの視線から人間社会での課題が浮き上がってくる

もんにゃかでは、毎日午前・午後と約2名〜4名体制で約20匹以上のお世話をさせてもらってる
(そして何よりわたし自身が癒やされている……)
投薬が必要な子、積極的に人馴れが必要な子を中心に猫と人との距離を縮めることを行っている

シャー!と一生懸命わたしたちに何かを伝えてくれようとしている路上生活経験をした子から
既に人馴れしてる子も中にはいる

もんにゃかではそんな猫たちに対して
「だいじょうぶだよ、ここは安心できる場所だよ」とお返事しながら
保護したことに責任をもって活動されている団体さん

(こんなにごろにゃ〜〜んな子もみんな仲良くここで過ごしています)
2024年9月から58匹と関わり、元から在籍していた子を含めると合計64匹譲渡
そのうち、飼い主からの引取は7匹でした

飼い主を失った猫は、鳴きながら飼い主を探し回り
お気に入りだったブラシに身体をこすりつけている…
そんな姿を見ると、胸が締め付けられると同時に申し訳ないという感情が湧く、、、

Famyとしてブランドタグラインとしても
掲げている大切な言葉

「ずっと一緒に、ずっと家族として」

こんなにシンプルで、大切なことが守られてない実情を
目の当たりにした
改めて実態を調べてみた

社会課題 飼い主の高齢化による飼育困難

飼い主の高齢化に伴い、
・入退院をを繰り返し飼育困難に
・飼い主が死亡してしまいお世話出来る人が居なくなってしまった
・介護施設に入所してしまって飼育継続が出来ない
等の理由で今後保護猫サロンや動物愛護相談センターに行く猫たちが
増えていることが改めてわかった

東京都の動物愛護相談センターの統計によると、猫の飼い主からの引取依頼は犬よりも圧倒的に多いことが分かる
交通事故や怪我で保護される負傷猫も多く、飼育放棄や野良猫化が進んでいることを示唆している

(引用参照:東京都保健医療局 – 動物愛護相談センター発表 統計データ
令和5年の情報によると猫の飼い主からの引取依頼は犬よりも圧倒的に多い

負傷動物(路上での事故等、怪我をした状態のことを指す)も猫が多く居ることがわかる

大きくなってから何かしらの理由を付けて飼育を放棄している…

ここ近年、高齢化社会だと叫ばれて久しいがそれは
人間だけの問題ではなく
家族である犬猫も対象である

(引用参照:東京都保健医療局 – 動物愛護相談センター発表 統計データ
処分状況においても圧倒的に譲渡の数も、致死処分の数も多いことが分かる
“一生の家族”が見つかった子が多いことと同時に命を落としている子が多い
(※譲渡=東京都動物愛護相談センターが運営する譲渡事業 ワンニャンとうきょうでの譲渡)

飼い主 高齢化の実態

(引用参照:ペットフード協会 令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査 (調査概要)から、飼育率を引用)

猫はそれぞれ飼育数は少なく見えるが地域猫や野良猫への給餌をしている場合も考えられる
50代以降の飼育者数が高いことから高齢層予備軍が多く控えてることが分かる

 

日本に足りない
「老犬・老猫ホーム」

人間と同じように、犬や猫にも、
老後の余生を介護施設で過ごす老犬老猫施設が存在する

しかし全国的に老犬老猫施設数は少なく
およそ55施設ほどである

(引用参照:リブモ株式会社発表 老犬・老猫ホーム入居数調査(2024年12月))
老犬ケア調査によると、老猫ホームに入居した数は増加しており【146】となる
ペットフード協会の調査もそうだが次に控えている世代も当然高齢化するため
老犬老猫施設が今後足りなくなりそうだ⋯

そうなると悲しくも
家を失う犬や猫が今後また増えてしまう⋯

そんなことはさせたくない

人の高齢化に伴う悲しい犠牲が生まれることが有る

今後老犬老猫ホームの整備や補助金制度、徐々に個人から大きな意味でのコミュニティで命の責任を持つということも一つの手段だと感じている
高齢の飼い主にとって、犬や猫の老後をどうするかは深刻な課題である

海外では、「終生飼育」を前提としたシステムが整っている国もある
例えば、イギリスではOakfield Old Dogs’ Home(老犬老猫ホーム)の「Dogs Trust Shrewsburyセンター」では
飼い主が亡くなった場合に備えCanine Care Cardサービスという無料のサービスを提供している

(ちなみに…掲載に際して、このドックトラストさんにご連絡した際「ドック・トラストでは彼らのちょっとした癖も含めて愛情をもってお世話をします!とのこと…動物への愛情を非常に感じました!)

重病に罹患した場合にその愛犬をこの団体で引取新しい家族が見つけるまで適切にケアをしてくれるというもの

いかにイギリスと日本の終生飼育に対する
リテラシーの格差があるかこれでお分かり頂けたと思う

ただ日本においても少しずつ終生飼育について、老犬老猫になったときの対応をどうしていくか、、、
動きは出てきたがその実態はまだ周知されていないし飼い主にはまだ届いていない

ずっと一緒に、ずっと家族として

家族として迎えたならば

家族としてその生命が終わるまで見届けること

それが本来の「終生飼育」

しかし、現実には、高齢化やライフスタイルの変化によって
家を失う犬や猫が増えているのも事実

私たちにできることは何か?

それは、

  • 飼う前に「もしものとき」の対策を考える
  • 終生飼育のための環境を整える
  • 家族の一員として最期まで向き合う

という意識を持つこと

沈黙の瞳が訴えるものを、どうか見逃さないでください

「ずっと一緒に、ずっと家族として」
その未来を守るために、
私たちFamyも活動を続けていきます


もんにゃか 代表 矢嶋さんからのコメントです

子猫、成猫、老猫、ハンデ猫もずっとのお家で幸せに
「江東区の飼い主のいない過酷な生活をする猫をゼロにする」を目標に全ての猫と人との共生に寄り添える会であり続けたいです


筆:つむぎと麹の姉