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Famyの活動

ACTIVITIES

2025.02.21

体験:柴犬と共に生きる喜びを

はじめに

今回、私たちは柴犬専門のブリーダー「芝田荘(しばたそう)」さんで柴犬のお世話を3日間体験させていただきました。
普段なかなか見ることができないブリーダーさんの職場にて実際のお仕事を体験し、犬への向き合い方やしつけの重要性を深く学ぶことができました。
その内容を皆さんへ共有させて頂きます。

静岡県袋井市の柴犬専門ブリーダー芝田荘
芝田荘について(外部へ移動します)

芝田荘さんは、静岡県袋井市にある柴犬専門ブリーダーで、犬と家族の生涯サポートを提供しています。しつけや社会性教育を重視し、シニア犬や障害犬の受け入れにも力を入れています。定例開放日やお預かり、トリミングなどを通じて、オーナー同士の交流や愛犬のケアを支援しています。

 

ブリーダーという仕事

ブリーダーとは、「動物や植物の繁殖に携わる人」を指し、動物や植物の命にひたむきに向き合い大切に育てるというイメージを皆さんお持ちではありませんか?

そもそもですが、ブリーダーと繁殖業者は違う職種だと思います。


動物のブリーダーは動物のことを思い、動物の血統を重んじ、大切に育てた動物たちを、家族として大切に育ててくれる方々へ有償・無償で譲り渡す方々のことだと思います。

一方で繁殖業者は、ただ単に「売れるから」といった理由で動物を交配させ「商品」として売買をしている人たちのことを指していると思います。

残念ながら犬や猫を劣悪な環境で飼育し、無理な交配を繰り返す悪質な繁殖業者が存在するのも事実です…。

芝田荘さんでは「柴犬の実家」をコンセプトとして掲げ、柴犬を「家族へ引き渡しておしまい」ではなく、共に柴犬の成長を見守り、いつでも相談でき、いつでも帰って来れる場所として活動をしています。

常に柴犬ファーストで考え、命を無駄に生み出さず、お引き渡しまで適切なステップを踏み、
家庭環境をヒアリングして柴犬の性格から家族に最もあう犬を提供する。

譲り受ける家族もまたお引き渡しまでのステップを通じて、柴犬との向き合い方や育て方を学び、
迎え入れるための環境を整え準備を行う。

犬と人が共に生きるため、十分なしつけや社会性教育を子犬の頃から行い、犬生最期まで家族とともに伴走する。

柴犬をお引き渡ししたご縁から芝田荘さんと家族との関係が始まる…

「ブリーディング」のあるべき姿ではないでしょうか。

 

いざ、芝田荘での研修へ

そんな素晴らしい活動をしている芝田荘さんの「想いを聞きたい!現場を知りたい!」
そんな考えから、芝田荘さんに体験研修をお願いしました。
犬舎に到着すると、綺麗な施設と元気いっぱいの柴犬たち、そして朗らかなスタッフの皆さんがお出迎えしてくださり、ワクワクと同時に少し緊張したのを覚えています。

 

今回の研修内容

  • 柴犬のお世話
    1匹ずつ順番に抱きかかえて広いドッグランに連れて行きます。
    排泄を促したあと、ブラッシングで汚れや毛を整え、足拭きを行い、犬舎へ戻す…
    はじめは慣れない抱っこに戸惑いましたが、柴犬たちは落ち着いていて、初対面の私たちでも暴れることはなく、芝田荘さんのしつけの素晴らしさすぐに感じることが出来ました。

 

  • 犬舎ゲージの掃除
    柴犬がドッグラン中は犬舎とゲージの掃除です。
    大きなゲージを外に出し、水で洗い流す…
    単純な作業ですが、量が多く力仕事でもあります。こんなにも重労働なのか…と
    スタッフの方々のタフさと柴犬のために毎日清潔な環境を整える想いに感銘しながらお手伝いをしました。

 

  • 食事管理
    柴犬の健康状態を常に把握することは最も重要だそうです。
    年齢や体調に合わせてドッグフードの種類や量、食べさせ方を調整します。
    食べ残し方まで細かく確認と記録を怠りません。
    もちろんお皿も清潔に。

 

  • 健康管理としつけのためのお散歩
    運動としつけのためのお散歩では、柴犬が急に走り出したり引っ張ったりすることもなく
    落ち着いた様子で驚きました。
    人の隣をまっすぐ歩く姿をみて、日々皆さんが十分なしつけをされているのだとすぐに理解することができました。

体験してわかった柴犬への深い愛とみなさんの想い

芝田荘さんはYouTubeなどSNSで活動を紹介しているので
今回のお世話内容は想像がついていました。
しかし実際には想像以上にハードな力仕事ばかり!
3日間で疲労困憊だった私たちは、ひとつの疑問を抱きました。

「毎日お世話し続けるスタッフの方々の原動力は何?」

その答えは、柴犬への深い愛情悪質な繁殖業者への怒りや危機感でした。スタッフの方々は「柴犬が大好き」「ブリーダーの闇をなくしたい」という思いを抱え、日々お世話に励んでいるのです。

 

芽生えた「守りたい」
という気持ち

研修が終わる頃、私の中で大きな変化がありました。

もともと犬を飼ったことがない私は、犬を「可愛い存在」としてしか見ていませんでしたが、お世話をするうちに、私たちが餌や水を与えなければ犬たちは生きていけないという当たり前の事実を肌で感じることができました。いつの間にか「この子たちを守りたい」という強い気持ちが芽生えていたのです。

今回の研修を通じて、人と犬との関係は「可愛い」だけでは成り立たないということを多く学ぶことができました。柴犬たちは人間の助けがなければ生きていけない存在であると同時に、私たちにとってもかけがえのない家族です。

 

犬にも人にも
やさしい社会のために

犬や猫を家族に迎えるには愛情だけでなく、正しい知識も必要です。知識が欠けていると、気づかぬうちに犬へストレスを与えたり、人間社会のルールを守れずトラブルにつながる可能性があります。
それは犬にも人にも暮らしやすい環境といえるでしょうか?

芝田荘さんでは、柴犬と向き合うための正しい知識を広めるため、小中学生の職業体験を通じた啓蒙活動を行っています。

また生まれ育った静岡県袋井市の地域発展のため、柴犬を通じた地域貢献にも取り組んでいます。

地元袋井市で働くこと、そして女性経営者としての職業観を発信することを通じて、柴犬のブリーダーという枠を超え、犬にも人にも暮らしやすい街づくり・社会づくりに尽力するその姿勢に、女性としても社会人としても深く共感させて頂きました。

芝田荘さんを見習い、犬にも猫にも人にもやさしい社会を作るために、私たちも継続的に活動を続けていきたいと改めて感じる実りの多い3日間でした。

こころよく研修を受け入れてくださった芝田荘スタッフの方々へ改めて御礼申し上げます。

筆:Famy チーム